今、いるところは: ホーム > 資料集 > 尾辻厚生労働大臣「カリタスの家」視察について
標記資料はpdfファイルでファイルサイズが大きく閲覧しにくいので、その中の「カリタスの家」に関する資料を抜粋して掲載します。詳しくは、第3回障害者虐待防止についての勉強会資料をご覧ください。
尾辻厚生労働大臣「カリタスの家」視察について
日時 平成17年3月21日(月) 9時10分~10時50分 場所 社会福祉法人かいたっくす、知的障害者入所更生施設「カリタスの家」
福岡県嘉穂郡頴田町大字勢田字新立119-14視察者 厚生労働省 尾辻厚生労働大臣 塩田障害保健福祉部長 隥本障害福祉課課長補佐 大塚企画課障害福祉専門官 視察の概要
- 法人からの説明
- 力リタスの家において虐待が起きていた原因
- 施設では、
- 利用者の個別支援計画がなくどのように対応していいかわからなかった。
- 苦情解決の制度が機能していなかった(第3者委員が施設関係者であった)。
- 幹部職員が不在で指導体制が適切でなかった。研修体制も十分でなかった。
- 法人組織が特定の理事による運営で、機能していなかった。
- 今後の対応
- 支援会議を開催し、個別支援計画を3か月以内に作成する。
- 職務権限をはっきりさせ、指導体制を確立する。職員研修も行なう。
- 利用者の人権擁護を図るため、虐待防止マニュアルを作成する。
- 苦情解決に第3者委員を置く。虐待を防止するため通告を義務づける。
- 厚生労働省の意見
- 「力リタスの家」の虐待は、施設に共通な構造的な問題がある。
- 福祉の理念や思いは崇高なもので仕事への情熱ともなり、障害の重い方々を支援するということになったのであろうが、それに相応した職員の支援技術やそれをサポートする管理体制がなかったことが虐待を引き起こした原因の一つである。
- 力リタスの家については常務理事の原田芳枝氏は解任されたが、モニカの家(重症心身障害者自立ホーム)やハレルヤ館(福岡県自閉症発達障害者支援センター)の施設長やセンター長は続けていることは、説明がつかない。
- 評議員を置いていないのは県の怠慢である。
- 自閉症・発達障害支援センターは専門的中心機関として、県内の他の機関・施設などとネットワークを組んで相談支援を行うことが重要である。必要であれば、ブランチ、巡回・訪問指導などの工夫によって県内をカバーしていただきたい。
- 視察後の大臣の記者会見内容
- 「カリタスの家」の虐待は、施設に共通な構造的な問題がある。虐待をこの施設だけの問題ではなく、全国的なものととらえていきたい。
- 強度行動障害を伴うなど重度の入所者を受け入れていることは情熱の現れであるが、入所者の障害程度と職員の能力が追いつかずに乖離してしまうと悲劇が起きる。今度もそうした悲劇の一つである。全国の施設で、乖離を解消できるような制度の見直しなど何ができるかを考えていきたい。
- 今後の対応としては、職員の能力向上を図るため、研修会や質の高い職員の派遣など国としても再発防止策を検討したい。